静かな夜、部屋の電気を消してベッドに入ったとき。
ふと壁の中から「カリカリ……」と小さな音が聞こえてきた経験はありませんか?
「えっ、何かの生き物?」
「壁の中で何が起きているの?」と、気になり始めると眠れなくなってしまいますよね。
おそらく何かの生き物のはずと思っていても、一人であれこれ悩んで怖がる必要はありません。
音の正体や理由を正しく知って、順番に対応していけば、音の原因を解決することができます。
記事では、壁の中から聞こえる「カリカリ音」の主な原因や正体の見分け方。
そしてやってはいけない注意点。
一軒家やマンションごとの正しい相談先まで、解説します。
今夜を安心して過ごすためのヒントとして、ぜひ参考にしてみてくださいね。
壁の中から聞こえるカリカリ音の正体で一番多いのは「ネズミ」
壁の中から規則正しく「カリカリ」と音が聞こえるとき、一番よくある原因は「ネズミ」です。
なぜ壁の中で音を立てるのか、ネズミ特有の理由があります。
また、ネズミ以外にも虫や住んでる場所の設備が原因になっているケースもあります。まずは可能性のある正体をひとつずつ確認してみましょう。
ネズミは木や壁をかじる習性があるから
ネズミが壁の中で「カリカリ」と音を立てる最大の理由は、ネズミの体の特徴にあります。ネズミの前歯は、人間と違って生きているあいだずっと伸び続けるという性質を持っています。
ハムスターも一緒ですよね。
前歯が伸びすぎるネズミは固いものをかじって、自分で自分の歯を削る必要があるのです。
壁の中には、ネズミにとって格好の「歯削り場所」がたくさんあります。
- 木の柱や削りやすい板
- 壁の内側にある保温のための素材(断熱材)
- 電線の周りにあるプラスチックのカバー
これらを前歯で削るときに、「カリカリ」という音がお部屋の中に響いてしまうのです。
そして壁の中は外の天敵から身を守ることができて、温かく過ごしやすいため、ネズミが住みつきやすい場所になってしまいます。
ネズミ以外の可能性の場合
「カリカリ」という音がネズミよりも少し小さかったり、不定期に聞こえたりする場合は、大きめの虫やゴキブリが原因かもしれません。
ゴキブリやカミキリムシ、木を食べる小さな虫などは、壁のすき間や裏側に入り込むことがあります。これらの虫が壁の中を歩き回ったり、木の部分を少しずつかじったりするときに、小さなカリカリ音が聞こえることがあります。
特に、以下のような特徴がある場合は虫の可能性が考えられます。
- 音がとても小さく、耳をすまさないと聞こえない
- 一箇所にとどまらず、気まぐれに音が消える
- 音のスピードが不規則である
こちらも可能性としてあることですが、外から迷い込んできたハチが壁の中で動き回っているということもあります。ただこの場合はカリカリという音ではないです。
外壁には、空気を通すための小さな穴やすき間が用意されています。そこから小さなハチが入り込み、壁の裏側で出口を探して動くときに「カリカリ」「カサカサ」と音を立てることがあります。
生き物の音パイプの音の違いをわかりやすく表にまとめました。
| チェック項目 | 生き物(ネズミや虫)の場合 | 設備(パイプなど)の場合 |
|---|---|---|
| 音の鳴り方 | カリカリと連続して長く鳴る | カリッ、カリッと間隔をあけて単発で鳴る |
| 鳴る時間帯 | みんなが寝静まる夜中や明け方 | お湯を使っているとき、暖房をつけたとき |
| 音の場所 | 壁の中をあちこち移動する | いつも決まった壁の1箇所から聞こえる |
【見分け方】いつ鳴る?何がある?でカリカリ音の正体を確かめよう
壁の中のカリカリ音が何によるものなのか、見分けるためには「音のする時間」と「お部屋の中の様子」をチェックするのが近道です。
無理に壁を調べる必要はありません。生活の中で確認できるポイントをいくつか集めるだけで、正体がかなり絞り込めます。
「夜中〜明け方」にカリカリ鳴る場合
「周りが静かになった夜中や、まだ暗い明け方にばかりカリカリ音が聞こえる」という場合は、ネズミの可能性が非常に高いと言えます。
ネズミは基本的に日中は行動が少なく、暗くなった夜に活動を開始する生き物です。人間が電気を消して静かになると、行動し始めます。
また、寒さが厳しくなる冬の時期も注意が必要です。
外が寒いと、ネズミは温かい壁の中に避難しにきます。
そのため、「冬の夜中」にカリカリ音が急に増えた場合は、ネズミが壁の中に潜み始めた可能性も考えられます。
「お湯を使っているとき」や「昼間」に鳴る場合
「家族がお風呂に入っているとき」や「洗面所で温かいお湯を使っているとき」に限定して音が聞こえる場合は、生き物ではなくパイプの温まりによる音と考えられます。
また、太陽が昇っている昼間にだけ規則正しく音が鳴る場合も、生き物ではなく建物全体のきしみや温度変化によるものの可能性が高くなります。
もちろん、昼間に活動する虫もいますが、昼に音がして夜にはまったく聞こえなくなるのであれば、ネズミである心配は少なくなります。まずは「どんなときに音が鳴っているか」を思い出してみましょう。
音以外にもネズミなのか見分けるサインもあります。
音だけでなく、お部屋の隅や床の上に特別な「目印」がないかも探してみましょう。
黒くて小さな粒(フン)がないか
部屋のすみっこ、家具の裏側、キッチンの近くなどに、米粒くらいの大きさ(約5ミリ〜1センチ)の黒い粒が落ちていませんか?
これはネズミのフンである可能性が高いです。もし見つけたら、手で直接触らずにティッシュなどで包んで処分しましょう。
木くずや白い粉が落ちていないか
壁際や柱の下、床の上に、まるで鉛筆を削ったあとのような小さな木のかけらや白い粉が落ちていることがあります。
木を食べる虫(カミキリムシやシロアリの仲間など)が壁をかじったときに出てきた屑かもしれません。
【チェックリスト:あなたのお部屋はどれに当てはまる?】
[ ] 夜中、電気を消すとカリカリ聞こえる(→ ネズミの可能性)
[ ] お湯を使うとカリカリ聞こえる(→ パイプの膨張)
[ ] 壁際や家具の裏に黒い小さな粒がある(→ ネズミのフン)
[ ] 柱の根元に木くずや粉がたまっている(→ 虫のサイン)
一軒家とマンションでのカリカリ音の原因や違い
一軒家か、マンションやアパートかによっても、生き物が入り込む理由や通り道が少し違ってきます。
どこから音がして、どう対応すべきかが分かりやすくなりますよ。
「一軒家」の場合の侵入ルートと特徴
木造の一軒家は、構造上どうしても小さなすき間ができやすい特徴を持っています。そのため、外から生き物が入り込むルートがたくさん存在します。
主な侵入ルートには以下のような場所があります。
- 屋根の重なり目や天袋のすき間
- 床下の換気口(空気を通す網目)
- エアコンのパイプを通している壁の穴
- 外壁の小さなひび割れ
ネズミは1.5センチ程度の小さな穴(5円玉くらいの大きさ)があれば、体をすり抜けさせて中に入ることができます。一軒家の場合は、お庭や近くの草むらから壁の中へ直接入ってきてしまうケースが多いのが特徴です。
「マンションやアパート」の場合の侵入ルート
「コンクリートでできた頑丈なマンションだから、ネズミや虫は入ってこないはず」と思いがちですが、実は安心し切れません。
マンションのお部屋の中にも、水や電気を通すためのパイプや配線が走る空洞(壁の裏側のスペース)が張り巡らされています。
建物全体のパイプスペースを伝って、下のお部屋から上の階のお部屋へと自由に移動してくることがあるのです。
マンションで音が聞こえる場合は、自分の部屋だけでなく、建物全体のどこかから壁の隙間を伝ってやってきている可能性があります。
周辺環境(飲食店など)の影響
周りの環境や建物の年数によっても「カリカリ音」の発生しやすさが変わります。
- 1階に飲食店やコンビニが入っている建物: ご飯のにおいや食べ残しにつられてネズミが集まりやすく、壁を伝って上の住宅へ登ってくることがあります。
- 近くで大きな工事や解体作業があった場合: 近くにあった古い建物が壊されると、そこにいたネズミや虫が新しい住みかを探して近くの建物に移動することがあります。
- 建てられてから年数が経っている物件: 経年変化によって壁や土台に小さなすき間ができやすくなり、生き物の通り道になりやすくなります。
壁の中の音が万が一ネズミの場合、そのままにしておくと大変です。
「カリカリ音は気になるけれど、壁の中だし放置しておけばそのうちいなくなるかな?」と思ってしまうかもしれません。
ただ、音の正体がネズミなどの生き物だった場合、何もせずに放置してしまうと困ったトラブルに発展することがあります。代表的な4つのリスクを知っておきましょう。
電気のコードがかじられて故障や火災の原因になる
一番気をつけたいのが、壁の中を通っている電気のコードがかじられることです。
ネズミは何でもかじる習性があるため、壁の中の配線カバーを削り取ってしまうことがあります。電線がむき出しになると、以下のような問題が起こります。
- 電気製品が急に使えなくなる
- 停電が起きる
- 火花が散って火災(火事)の原因になる
目に見えない壁の中で電線が傷つくのはとても危険ですので、早めの対応が大切になってきます。
においや汚れの原因になり、ダニが増える
壁の中に生き物が住みつくと、その中でフンやオシッコをするようになります。時間が経つと、壁の裏側から不快なにおいが部屋の中に漂ってくることがあります。
さらに、ネズミの体には「イエダニ」という小さなダニがたくさんついています。ネズミが壁の中に留まることでダニが増殖し、壁の隙間から部屋の中に侵入して人間の皮膚を刺し、強いかゆみを引き起こす原因にもなります。
建物の壁や断熱材(保温材)が傷つく
壁の中には、部屋の温度を保つための「断熱材(スポンジや綿のような素材)」が入っています。
ネズミはこの温かい断熱材が大好物です。前歯で細かくちぎって自分の巣の材料にしてしまうため、壁の中の保温効果が落ちてお部屋が寒くなったり、壁自体が傷んでしまったりすることがあります。
壁の中で数が増えたり、動かなくなってしまう心配
放置することのもう一つのリスクは、壁の中で子どもが生まれて数が増えてしまうことです。
ネズミはとても増えやすい生き物です。
最初は1匹の音だったものが、放っておくと何匹ものカリカリ音に変わってしまうことがあります。
また、出口が見つからなくなって壁の中で動かなくなってしまうと、嫌なにおいが長期間お部屋に充満してしまう原因にもなります。
壁の中からカリカリ音がしたときに「やってはいけないこと」
壁の中からカリカリ音が聞こえると、焦ってどうにかしようとしてしまいがちです。
ですが、やり方を間違えると、かえって状況が悪くなってしまうことがあります。ここでは、音が聞こえたときに「やってはいけないこと」を3つお伝えします。
壁をドンと強く叩いて追い出そうとする
音がする壁に向かって、手や足で「ドン!」と強く叩くのはやめましょう。
大きな音や衝撃を与えると、中にいる生き物がパニックを起こします。驚いた勢いで壁の隙間からお部屋の中に飛び出してきたり、壁の中で暴れて余計に配線を傷つけたりすることがあります。
また、強い力で叩くことで、建物の壁紙やボード自体を凹ませてしまう原因にもなります。壁を叩くのではなく、静かに様子を見ることが大切です。
出入り口らしき穴をすぐ塞ぐ
建物の外側や壁の近くで「ここから入ったのかな?」という穴を見つけても、理由なくすぐに穴を粘土やテープで塞ぐのは危険です。
もし中にネズミや虫が残ったまま穴を完全に塞いでしまうと、外に出られなくなって壁の中に閉じ込められてしまいます。
閉じ込められた生き物が壁の中で動かなくなると、数日後に強いにおいが発生し、業者さんを呼んで壁を解体しなければ取り出せないような大変な作業になってしまいます。穴を塞ぐのは、中に誰もいないことを確認してから行うのがルールです。
自分で壁を破ったり穴を開けたりする
音の正体を確認したいからといって、ドライバーやカッターを使ってご自身で壁紙を剥がしたり、壁に穴を開けたりするのは絶対に避けましょう。
先ほどもお伝えした通り、壁のすぐ裏側には大切な電気のコードや水道のパイプが走っています。
知識がないまま工具を差し込むと、電線を傷つけて感電したり、パイプを破って水漏れを起こしたりする事故につながります。
壁を開ける作業は、必ず専門の設備業者さんやプロの業者さんに任せましょう。
【絶対NG!避けるべき3つの行動】
× 壁をドン!と叩いて脅かす(お部屋に飛び出してくる危険アリ)
× 勝手に外の穴を塞いで封鎖する(壁の中に閉じ込めてしまう危険アリ)
× 自分でカッターなどで壁を切り開く(電線やパイプを傷つける危険アリ)
今夜すぐできる対応と、安心して解決するための手順
「注意点はわかったけれど、今夜このまま寝るのはやっぱり怖い……」という方も安心してください。
専門の業者さんに相談する前に、今夜をご自身で安心して乗り切るための簡単な工夫があります。順番に試してみてくださいね。
音が聞こえるお部屋の電気をつけておく
ネズミや害虫の多くは、明るい場所と人の気配を嫌います。
カリカリ音がして眠れないときは、お部屋の電気をつけたままにするか、小さな間接照明をつけて部屋を明るくしておきましょう。
これだけで、壁の中の生き物が警戒して音を立てなくなることがよくあります。
音の様子をメモしたりスマホで録音する
焦らずに、ノートやスマホのメモ機能を使って以下の情報を記録しておきましょう。
- 何時ごろに音が鳴り始めたか
- 壁のどのあたりから聞こえるか(上の方、床に近い場所など)
- カリカリ音がどれくらい続いたか
余裕があれば、スマホの録音機能で「カリカリ」という音を録音しておくと最高です。
後からプロの業者さんに見せるとき、とても貴重な情報になります。
マンション・アパート(賃貸)に住んでいる場合の相談方法
賃貸マンションやアパートにお住まいの場合は、自分で勝手に業者さんを探して呼ばないことが大切です。
まずは、お部屋を管理している「管理会社」や「大家さん」に電話やメールで連絡を入れましょう。
賃貸物件の場合、建物全体の点検や補修費用は大家さんや管理会社が負担してくれるケースが多くあります。自分で判断せず、まずは管理会社を頼りましょう。
一軒家に住んでいる場合のプロ(専門業者)への相談方法
ご自宅が一軒家の場合は、毎晩のように音が続いたり、お部屋の周りでフンを見つけたりした段階で、害獣・害虫対策の専門業者さんに相談してみるのが一番の近道です。
最近のプロの業者さんは、壁を壊したり破ったりすることはしません。
建物を傷つけずに安全に中の様子を調べてくれます。
多くの業者さんが「現地での調査」や「見積もり」を無料で行ってくれますので、まずは電話やWEBから無料相談を利用してみるのがおすすめです。
よくある質問(FAQ)
壁の中の「カリカリ音」について、よくある疑問や不安をQ&A形式でまとめました。
Q1. カリカリ音が急に止まったけど、もう放っておいて大丈夫?
A. しばらく様子を見ても大丈夫ですが、油断は禁物です。
たまたま外へご飯を食べに出かけていて、一時的に壁の中からいなくなっているだけの場合もあります。
音が一晩止まったからといってすぐに安心せず、2〜3日ほど静かな状態が続くか確認しましょう。もし数日経っても音がせず、フンや嫌なにおいもないようであれば、一時的に迷い込んだだけだったと考えられます。
Q2. 虫やゴキブリでも「カリカリ」って音が聞こえるの?
A. はい、小さなカリカリ音が聞こえることがあります。
体が大きめの虫やゴキブリが壁の内側を歩いたり、周りの素材に触れたりするときに、耳をすますと「カリカリ」「カサカサ」と聞こえるケースがあります。
見分けるポイントとして、壁際や柱の根元に小さなおがくずのような粉が落ちていれば虫、黒い米粒のような粒があればネズミの可能性が高くなります。
Q3. マンションでも専門の人に見てもらったほうがいい?
A. 音が何日も続く場合は、ぜひ見てもらうことをおすすめします。
マンションであっても、配管が通る壁のすき間を伝ってネズミなどが侵入してくるケースは珍しくありません。
「マンションだから大丈夫」と思わずに、音が続いて夜眠れないようなときは、遠慮せずに管理会社さんへ相談して点検してもらいましょう。
おわりに:焦らず一つずつ確認
夜中に壁の中から聞こえる「カリカリ」という音。正体が分からないうちは誰でも不安になってしまうものです。
ですが、正しい順番で対応していけば、決して恐れる必要はありません。最後に今回のポイントをおさらいしましょう。
一歩ずつ落ち着いて対応すれば、また以前のような静かで安心できるお部屋に戻すことができます。一人で抱え込まずに、まずは今夜の音の状況を確認するとことから始めてみてください。

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